税理士・弁護士・行政書士・司法書士の士業ネットワークを持つ「鎌倉新書」が解説

遺言書の確認/検認

公正証書遺言遺留分

遺言書の確認/検認について、基礎知識や手続きの目安・詳細などを、士業ネットワークを持つ「いい相続」が分かりやすく解説します。

自分の死後、残される家族には幸せに暮らして欲しい。自分が残した遺産を巡り、子どもたちが争うことは是が非でも避けたいものです。「うちの子たちは仲がよいので、自分の遺産は子どもたちがいいように任せる」。本来ならばそうするのが一番ですが、いざその時がきたら、仲のよい兄弟姉妹も争いに発展することが多々あります。そこで遺産分割会議が相続争いに発展しないようにするひとつの手段が、生前に自分の意志を「遺言」に書き、家族へ残すことです。

遺言を残す人は年々増え、ひと昔前に比べて、身近なものとなっています。遺言の確認から検認まで、一連の流れを順番に説明します。

目次


遺言の基礎知識

遺言とは、生前に誰に、何を、いくら残すかなどの自分の意志が、自分の死後に実現できるための法制度です。遺言を書くのは本人以外の何者でもなく、そこに相続人(妻や子どもたち)意志は入りません。遺言はメモや録音、録画では認められず、民法に則った書面を作成することで法的に認められます。自分の死後に家族が遺言を開封し、たとえ遺産の分け方に不満あったとしても、「お父さんが書いたことに従わなければならない」と、遺産分割協議にて相続人同士が直接争うことは少なくなるでしょう。


このように遺言書は、家族の仲のよさや、遺産金額の大小にかかわらず、書いて残したほうが家族のためになります。

手続きの目安

できるだけすみやかに。遺言書の確認・検認後、3ヶ月以内に「相続の承認または放棄」を決定する必要があります。


葬儀が滞りなく終了し、香典返しも済み、四十九日の法要が終わったころから、相続の手続きに入る人が多いようです。相続の開始があったことを知った日の翌日から3カ月以内にしなければならないのは「相続の承認または放棄」を決定することです。遺産を承認するか、はたまた放棄するかを決めるには、遺言の有無、さらには遺言があればその内容によって左右されます。遺言には何が書かれているのかわからないので、3カ月以内には探さなければなりません。

そこで、相続手続きで最初に行うのが、遺品整理よりも先に遺言を探すこと。遺言は民法において、法定相続人や法定相続割合よりも優先され、遺言が見つかれば遺産分割協議が不要となるためです。しかし、相続人のうち、誰かが遺言の保管場所を聞いていればよいのですが、死ぬまで子どもたちへ遺言の有無や、財産の分け方を教えたくないという人も中にはいますので、一概にはいえません。可能ならば、遺言の有無は弁護士などの専門家や、信頼できる子どもや友人に、遺言の存在がわかるようにしておくとよいでしょう。

遺言書の効力

通常の相続では、人が亡くなると、その遺産は相続人が話し合って分けます。その時に、「もらえる権利があるのならもらいたい」と、喧々諤々な相続争いが起きる可能性があります。しかし、遺言があれば民法で定められた相続分よりも優先され、遺言の内容に従って相続手続きを行うことになります。

ここで具体的に民法に定められている、遺言でできる8つのことを説明します。

●相続分の指定・指定の委託……遺産は相続人の立場によって法定相続割合がありますが、相続人すべての同意があれば割合どおりに分けなくてもよいのです。遺言では、自分が亡くなったあとの遺産をどのような割合で相続させるか指定ができます。また、遺言をすることで、その指定を第三者に任せることもできます。

●遺産分割方法の指定・指定の委託……遺産をどのように分割して、誰にどれだけわたすのかを指定できます。例えば、「長男には自宅の建物と土地を、 次男には〇〇銀行にある口座の預貯金を相続させる」 など、分けにくい不動産を分けずに特定の相続人にあげることができるのは遺言の効用です。

●法定相続人の廃除・排除の取り消し……遺言によって法定相続人を除外することができます。また、逆に除外された法定相続人がいる場合、その資格を復帰することができます。血を分けた子どもや兄弟(法定相続人)でも、自分への虐待や暴力、侮辱行為があって財産を残したくないケースに効力を発揮します。

●祭祀財産の承認者の指定……家系図や位牌、仏壇、墓、墓地などを誰が引き継ぐのか、遺言することによって指定することができます。さらに自分の葬儀の葬儀委員長を遺言で指定することもできます。

●遺贈……遺言することによって、相続人以外に遺産を相続させることができます。献身的な介護をしてくれた嫁や、長期にわたって親身に働いてくれたお手伝いさん、いわゆる愛人関係にある人などは法定相続人ではありませんが、遺言で遺贈する旨を書くことによって相続させることができます。また、遺言で遺産を自治体や団体に寄付することもできます。

●遺言執行者の指定・指定の委託……いくら遺言を残しても、自分は亡くなっているのですから、それが本当に実行されるかどうかを確認することはできません。そこで、遺言に従って相続を完了するための手続きをする人を遺言執行者といい、その人の名を遺言で指定することで、遺言は確実に実行されることでしょう。遺言執行者は弁護士や税理士などの専門家、心から信頼のできる友人がなることが多く、法定相続人は遺言執行者になることはできません。

●子どもの認知……法的な婚姻関係にない男女の間に生まれた子ども(婚外子)と父親との関係は、「認知」という手続きによって確定します。認知は生前に行うほか、遺言で行うこともできます。生前、家族に打ち明けなかった認知していない婚外子がいる人は、遺言を残して遺産を分けてあげるとよいでしょう。

●未成年後見人の指定……子どもが小さいからこそ、確実に遺言を残したい人もいるでしょう。相続人が未成年の場合、代わりに未成年者に対して財産管理や監護教育を適切に行ってくれる人を「未成年後見人」といいます。遺言で未成年後見人を指定することができます。

遺言書の形式

ここからは、実際に遺言を書く場合について説明します。

まず、遺言を書ける人は「15歳以上」であることと、「遺言能力がある人」の条件を満たさないと書くことができません。15歳以上であるとの年齢条件は問題ないとしても、「遺言能力がある人」という点は注意が必要です。遺言者が認知症で、自分のことであるにもかかわらず判断能力がなくなってしまうと、遺言を書くことはできないからです。つまり、認知症の親に対し、子どもが無理やり遺言を書かせることは禁じられています。なぜなら、子どもの都合のよいように遺言を残すことを避けるためです。

民法で認められた遺言には「自筆証書遺言」「公正証書遺言」「秘密証書遺言」の3種類があります。それぞれ説明をしましょう。


●自筆証書遺言……遺言者がすべて自筆で書く遺言書です。日付、書名、捺印が必要で、代筆やパソコンで作成したものは、遺言の効力は認められません。2018年7月の民法改正にて、「財産目録の部分」のみワープロやパソコンで作成すること、また自筆の代わりに通帳の写しや登記事項証明書を添付できるようになりました。

自筆証書遺言は紙とペン、印鑑があればいつでも、どこでも書くことができます。また、書き直しも自分の手間だけでできます。しかし、法的に認められる書類にするためには、守らなければならない形式があり、それを満たさないと無効になってしまいます。また自筆証書遺言は、保管しているうちに紛失したり、自分の死後、遺言を見つけてもらえないリスク、誰かが先に見つけて内容によっては反故にされるリスクもあります。可能ならば、遺言を書いた旨を誰かに伝えておくのがよいのですが、自分にとって都合の悪い遺言を邪魔にする相続人もいるので、それも一概にはいえないのが難しいところです。



●公正証書遺言……公証役場で公証人に作成してもらう遺言です。遺言者と証人2名、公証人の署名捺印が必要で、手数料がかかります。

遺言の原本は公証役場で保管されるので、紛失や廃棄の心配がありません。また、事前に公証人と打ち合わせをしながら遺言の内容を整えるので、記載内容に不備がないのもメリットです。通常、遺言には遺言執行者が記されており、その人が正本を保管する場合が多いです。自分が亡くなったのを聞きつけたら、遺言執行者が確実に遺言を実行してくれるでしょう。

公証役場に払う手数料は、遺言書に記載する遺産によって異なります。
500万円超1,000万円以下……1万7,000円
1,000万円超3,000万円以下……2万3,000円
3,000万円超5,000万円以下……2万9,000円
5,000万円超1億円以下……4万3,000円
それ以上は5,000万円を超えるごとに手数料が加算されていきます。

その他の費用として、遺言書の相談を受ける弁護士や司法書士、相続税を計算する税理士などの専門家に手数料を払いましょう。また、証人となってくれる人にはお礼をするとよいでしょう。


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●秘密証書遺言……遺言の内容を秘密にしたまま、遺言の存在だけを公証人に証明してもらう遺言書です。遺言者が書名捺印した書面を封印し、証人2人と公証人に、その封書が自己の遺言書であることを申述します。

交渉役場に払う手数料は、定額で1万1,000円です。

秘密証書遺言は誰にも内容を知られずに作成することができますが、自筆証書遺言と同様に、内容や様式に不備が生じる可能性があるので注意が必要です。現在、秘密証書遺言を利用する人はほとんどいなくなりました。

自筆証書遺言の民法改正について

自筆証書遺言は紙と、ペンと、印鑑があれば、いつでも、どこでも書けますが、いざ、書こうとなると「誰に、どれくらいの遺産を残すべきか」と悩むのが当たり前で、そのうち「書くのが面倒くさい」という状況になります。全文を自筆で書くため、細かな財産目録を手書きで間違えずに書くのもひと苦労で、もし間違えたら全文を書き直すか、その部分を定められた方法で訂正しなければなりませんでした。

そこで、2018年7月に民法が改正され、自筆証書遺言のうち財産目録の部分はパソコンで作成したり、通帳のコピーや登記事項証明書を添付できるようになりました。さらに、自筆証書遺言の保管制度が創設されました。制度を利用すれば、法務局にて原本が保管され、画像データ化がなされます。また、法務局に保管された遺言ならば、開封時の検認の必要がありません。


この制度を利用すれば、遺言を書いた後、誰にも見つからないように(自分の死後は見つけてもらえるように)、机の奥やタンスの隅に隠すということもなくなったわけです。民法改正により、自筆証書遺言の普及拡大が見込まれ、相続手続きの円滑化も進むでしょう。もちろん、従来の自筆証書遺言の書き方、保存方法でも効力は変わりません。

遺言書があるかどうかを確認

遺言書のありかはその人によって隠しやすい場所があるでしょうが、例えば以下のような場所です。

■自宅を探す……仏壇、金庫、机の引き出しの奥、ダンスの引き出し、屋根裏の倉庫など、遺言者が隠しそうな場所を探しましょう。

■貸金庫を探す……取引のあった銀行に貸金庫の契約をしているかもしれません。貸金庫は本人でないと開けることができないので、本人が亡くなっている場合は、所定の手続きが必要です。

■友人に聞く……遺言者の親しい友人に遺言書の話をしているかもしれないので聞いてみましょう。親友に遺言を託しているかもしれません。

■公証役場に問い合わせる……公正証書遺言を残している可能性があれば、公証役場に問い合わせてみましょう。公証役場では遺言書のデータ検索ができます。

■信託銀行に問い合わせる……信託銀行に口座のある人は、遺言信託サービスを利用していたり、遺言書の保管をしている可能性があります。

遺言の検認が必要な場合

「自筆証書遺言」か「秘密証書遺言」が見つかったら、家庭裁判所に遺言を提出し、検認の手続きをすることになります。ここで、注意したいのは、「自筆証書遺言」は未開封のままで裁判所に提出をしなければならないということ。開封して中身を読んでしまったら、中身を書き換えたり、内容によっては反故されてしまうこともあるので、それらを防ぐためです。もし開封してしまった場合は、五万円以下の罰金が課せられることもあります。ただし、開封したからといって、遺言書自体が無効になるわけではありません。

裁判所の「検認」とは、全相続人に対して遺言の存在と内容を知らせるとともに、遺言書の形状や状態、日付、書名などの検認の日現在における遺言書の内容を明確にするもの。これは遺言書の偽造・変造を防止する手続きです。遺言の検認の申し立て後、およそ1カ月以内に、家庭裁判所から相続人全員に検認期日通知が郵送されます。

検認日当日に、相続人の代表者が(相続人全員でも可)未開封の遺言書を家庭裁判所に持参し、職員の立ち合いのもと、その場で遺言書が開封されます。検認手続きが終了すると、遺言書に検認済みの証明書を添付したものが交付されます。

尚、公正証書遺言は、遺言者が公証人の面前で遺言内容を口頭で述べて、公証人がその内容を筆記して作成します。これは国が認めた正式の書類であり、家庭裁判所にて検認の必要はありません。公正証書遺言ならすぐに相続の手続きに移ることができます。

遺言が無効になる事例

自筆証書遺言は法定相続割合よりも優先される立派な法的書類です。ゆえに形式に則ったものでないと認められません。せっかく遺言を残したのに、裁判所の検認にて認められない主な事例として、
・自筆で書いていないもの
・日付があいまいなもの
・捺印がない
・夫婦二人の遺言書になっている
などが挙げられます。

自筆証書遺言は、前述のとおり遺言書を書く人(遺言者)の「自筆」で書かれていなければなりません。パソコンで作成した遺言書や録音、動画でも遺言書として認められません。本文をパソコンで作成して、書名のみ自筆というのも認められません。日付が「平成○年○月吉日」という記載も無効になります。

遺言書の代筆も認められません。過去の最高裁の判例では、手が不自由な遺言者が妻の介助を受けながら書いた遺言は無効となりました。また、認知症の親をけしかけて無理やり遺言を書かせたことがわかったら、その遺言は無効です。なぜなら遺言能力ない人は遺言が書けないからです。もし、自筆証書遺言を書くなら、書店や文具店に「遺言キット」が市販されていますので、それを利用し、形式通りに書くことをおすすめします。

確実に遺言を残したい人は、自筆証書遺言ではなく、公証人が作る公正証書遺言を作りましょう。



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遺言が無効になる例

兄弟姉妹を除く法定相続人には「遺留分」という、最低限受け取れる遺産の割合があります。

例えば、そりの合わない子どもに対し、遺言で「一銭たりとも遺産を相続させない」と書いたとしても、子どもには遺留分という相続権利があるので、遺言よりも優先されます。

もし、兄弟で遺産分割でケンカになり、遺留分に満たない財産しか相続できなかった人は、法律により不足分を他の相続人に請求することができます(遺留分減殺の請求)。

あるいは、例えば今まで認知していなかった子ども(婚外子)に、これまでの詫びとして「全遺産を相続させる」と遺言に書いてあったとしても、他の相続人は遺留分を請求することで、遺留分の相続ができます。

尚、遺言書で婚外子の認知はできますが、養子縁組はできません。自分が亡くなった後に、自分の子として養子縁組し、遺産を分けることは不可能なので注意しましょう。

遺言無効の訴えについて

自筆証書遺言を開けたら、あまりにも不当な内容でどうしても認められないという場合もあります。

例えば、年老いた父親が若い女性と再婚をし、遺言を書き、再婚後すぐに亡くなってしまったら、子どもたちは遺言の偽造を疑うことでしょう。遺言を書いてすぐに変死した…というのも、何らかの事件を疑うのも当然です。公正証書遺言にしても、実務では弁護士などの専門家が事前に作成した遺言を公証人が読み上げ、遺言者は「はい」と答えることができれば、公正証書遺言ができてしまうのが実態です。

遺言に、遺言者以外の他の誰かの意図的な考えが入っているとの疑いがあるなら、その有効性を問うため、裁判所へ「遺言無効確認請求訴訟」を起こすことができます。自筆証書遺言書の偽造が疑われるときは、年賀状や手紙など遺言者の筆跡がわかるものを探して比べてみましょう。また、遺言者に認知症の疑いがあり、その判断能力を問うときには、当時の診断書やカルテ、介護認定を受けるための資料などを準備しましょう。

遺言にまつわるQ&A

遺言執行者とは誰を指すのですか?

遺言者の希望に沿って遺産を管理したり、分割して名義変更をしたりする権限を持つ人を「遺言執行者」といいます。弁護士や司法書士、税理士などの専門家、親しい友人がなることが多いです。法定相続人は当事者なので、遺言執行者になることはできません。

遺言執行者は、遺言で指定します。文言は、

「遺言者はこの遺言の執行者として下記の者を指定する。
東京都港区〇-〇-〇
税理士 〇-〇-〇
昭和〇〇年〇月〇日生
遺言執行者は、この遺言を執行するに際し、登記手続き、預貯金等の名義変更、解約、払戻請求などその他この遺言の執行に必要な一切の行為を単独で行う権限を有する。

遺言執行者は必要と認めた時はその任務を第三者に行わせることができる」

といった具合です。遺言執行者が指定されていたら、相続人が勝手に遺産を分割、名義変更などをすることはできません。すみやかに遺言執行者へ、遺言者が亡くなったことを伝えましょう。

遺言で指定された人が、すでに他界している場合は?

遺言者より遺言で指定された人が先に亡くなっている場合、原則としてその部分のみが失効します。その場合、指定した人の子どもに残したいなら、「Aが遺言者の死亡以前に死亡した場合は、その子どもBに相続させる」という予備的な遺言を書くと、遺言者の意志が実行できます。

誤って自筆の遺言を勝手に開封してしまいました。

原則として、自筆証書遺言書は開封前に裁判所に提出し、検認を受けなければなりません。なぜなら開封した人がこっそり加筆修正することを防ぐためです。しかしながら「遺言が見つかった!」と誤って遺言書を開封してしまい、そこには不正の陰が見えないこともあるでしょう。

もし、自筆証書遺言を家庭裁判所で検認を受ける前に開封した場合は、5万円以下の手数料がかかりますが、遺言は無効にはなりません。開封した遺言を家庭裁判所に提出し、検認を受けてください。裁判所が無効と判断するかどうかはそれからです。

遺言の「付言」とはなんですか?

遺言の主体は誰に、どの遺産を、どの割合で引き継がせるかを書くものですが、内容によっては相続人同士で誤解や疑心暗鬼、不公平感が生まれることがあります。そこで遺言の内容で相続争いが起きないように、文章の最後に「付言事項」として、どうしてこのような遺産分割をしたかの理由や、残される家族へのメッセージを書くことができます。付言事項は法的な効力はありませんが、付言を書くことで円滑な相続につながることでしょう。

親不孝な子どもへ「遺産をあげない」と遺言に書きたいのですが

子どもは法定相続人であり、「遺留分」という遺産を相続する最低限の権利があります。「家に寄り付かない親不孝な子どもに遺産を残さない」と遺言に書いたとしても、その子どもの相続分をゼロにすることはできないのです。ゼロにすることは無理なので、「子どもAには遺留分のみを相続させる」と遺言に書く手があります。Aは1年以内に遺留分を請求することになり、請求がなければ相続をしないことになります。

まとめ

●遺言は様々な効力を持ち、相続争いなどを防ぐ有効な手段となっている。その有無や内容が相続に大きく影響するため、遺品整理よりも優先して探さなければいけない。家や友人、公証役場などをあたってみよう。

●遺言には「自筆証書遺言」「公証証書遺言」「秘密証書遺言」の三種類があり、「自筆証書遺言」か「秘密証書遺言」が見つかったら、家庭裁判所に提出し、検認の手続きが必要になる。

●遺言は形式がしっかりしていなかったり、内容によっては無効となる場合がある。遺言を残す際にはそれが有効なものか注意しなければいけない。また、相続人が無効を訴えることもできる。


遺言書の確認/検認について解説しました。大切な方が亡くなったあと、遺言書を見つけたけれどもどうすればいいのか分からない、という場合もあるでしょう。そんなときは故人の意志を大切にするためにも、プロに相談してみると良いでしょう。

遺言書の確認/検認の手続きに不安がある場合、プロに相談することも可能です。お困りの際は、税理士・弁護士・行政書士・司法書士の士業ネットワークを持つ「いい相続」にぜひご相談ください。

記事監修

税理士法人チェスター(https://chester-tax.com/)代表 荒巻善宏(税理士・公認会計士・行政書士)

2004年に公認会計士二次試験に合格。2008年、資産税・相続税専門の税理士法人チェスターを設立。現在は職員総数175名、全国に6拠点展開(三越前、新宿、横浜、大宮、名古屋、大阪)。年間1,000件(累計4,000件以上)を超える相続税申告実績は税理士業界でもトップクラスを誇り、中小企業オーナー、医師、地主、会社役員、資産家の顧客層を中心に、低価格で質の高い相続税申告サービスやオーダーメイドの生前対策提案、事業承継コンサルティング等を行っている。各種メディアやマスコミから取材実績やセミナー講師、テレビ出演の実績多数有り。会計事務所向けの相続税申告の支援を行う「チェスター相続ビジネスクラブ」は3,000名を超える税理士が参加している。主な著者に「相続はこうしてやりなさい(ダイヤモンド社)」「税理士が本当に知りたい相続相談Q&A(清文社)」等多数。

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